分析メガネの営業マン ~愉快な酔拳~ ロストジェネレーション
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ロストジェネレーション 

一般にロストジェネレーションというと、青春期を第一次世界大戦前後に過ごしたアメリカ人を指す、らしい。
少なくてもウィキペディアの記述や検索でヒットする内容からはそう考えられる。
ところが朝日新聞が新しく別の世代をロストジェネレーションと呼び始めた。

好況、置き去りの世代 「偽装請負」担う20~30代半ば
<2006年07月31日08時20分 asahi.com>

これによるとロストジェネレーションとは
‘90年代の就職難の時期に、正社員になれないまま、不安定な生き方を余儀なくされた若者たち’
というように定義している。

その実態を示しているのがハイテク工場に見られる請負労働者。
国際競争が激化する中、日本企業は海外に生産拠点を置いた。
しかしハイテク分野では技術流出を恐れて、国内回帰を求めつつも労働コストの圧縮を徹底した。

いつ、誰の発言かは不明だが、ある大手請負会社幹部の言葉として
「もう当たり前のビジネスモデル。今の新工場っていうのは、大量の請負労働者を使うことを前提に設計しているんです」
と記載している。
また大手メーカー幹部の言葉として「これ(アウトソーシング=外部委託)なら急な減産時には、いつでも簡単に人員調整できます」と労働力使い捨ての実態を示している。

そして気になる収入。
‘請負労働者の時給は1000円程度。昇給やボーナスは基本的になく、年収は200万円程度だ’
asahi.comでは、以上のような数字を示している。
この数字がどのように算出されたかは分からないが、事実ならばたまらない。

というか・・・この数字、まるで僕のことを言われているようだ。
昇給やボーナスがどうなっているのかは会社から何も言われていないが、現在の給料(なんと手取りで15万円以下!)からすると大差ないように思われて仕方ない。
つまり僕は正社員という肩書きで請負労働者並の待遇しか与えられてないってことか。
・・・泣けるね。


そして昨日になって発表された記事がある。
「挽回できる」61% 25~35歳、本紙世論調査
<2007年01月04日23時10分 asahi.com>

この記事によると、
‘バブル経済崩壊後の「就職氷河期」に社会に出た25~35歳の世代’は
‘努力しても報われないかもしれないが、おくれをとっても挽回(ばんかい)できない社会とは思わない’
ということのようだ。

さて、その根拠はというと・・・

Q.努力すれば報われる社会だと思うか
A.「報われる」45%、「報われない」48%

Q.一度おくれをとると挽回できない社会かどうか
A.「挽回できない社会」35%、「そうは思わない」61%

Q.自分の将来について期待と不安のどちらが大きいか
A.「期待」33%、「不安」64%

Q.非正規雇用が増えてきたことは日本にとってよかったかどうか
A.「よかった」8%、「よくなかった」43%、「どちらともいえない」49%

Q.正社員と非正規社員との賃金格差について
A.「おかしい」50%、「当然だ」46%

Q.非正規雇用の増加が今後も続くことについて
A.「望ましくない」77%、「望ましい」11%

という調査結果であるようだ。


ところがこの調査データ、実施日については記載しているが、調査人数(依頼人数と協力率)、調査対象の年齢層・収入・職業・地域などが不明で、しかも面接法だということに問題がある。

どの層を対象に調査したのか分からなければ、このデータを利用することはできない。
極端な話、日本で調査されたのかさえ不明なのである。
また調査趣旨からは25~35歳の‘ロストジェネレーション’の非正規雇用に関する意識調査であるものと考えられるが、対象が正規社員か非正規雇用者かという一点だけでも、この調査結果の解釈は大きく異なってしまう。

また、この種のデリケートな調査の場合、面接法というのは不適切である。
匿名であることが保障されているにしても、見ず知らずの相手に対して(これが面接者と知り合いだけで調査されていれば、それはさらなる問題である)、「努力すれば報われる社会だと思うか」という曖昧な問いに対して冷静な回答ができるだろうか。

そして「一度おくれをとると挽回できない社会かどうか」というような質問の場合、被調査者は本心を偽るという問題もある。
誰しも薄々は感づいていても、現実を認めるというのは難しい。
実際問題、「挽回できない社会」と答える者に対して世間はいかな反応を示してきたか。
「自助努力が足りない」などという人格否定にまで抵触しかねないような言葉や態度を投げかけられてきたのではあるまいか。
そうしたことを考えれば、「挽回できない社会」35%というのは非常に大きな数字だと言えるだろう。

これらの問題点と照らし合わせてデータと取り扱うならば、
‘努力しても報われず、おくれをとると挽回不可能な社会’
という結果になりはしないだろうか?


僕は経済史に疎いのであまり大きなことは言えないが、非正規雇用の問題は日本企業が支出の見直しによって始まったように思われる。
そして日本企業の支出の見直しはバブル崩壊の’90年代から始まった。
バブル崩壊以後、消費の低迷により収入の拡大が見込めなくなった結果、人件費を含む経費削減を頼りに命をつなぐ経営戦略に変化した。
この極端な例がリストラで、年功序列による日本経済の秩序(といっていいものかどうか)は崩壊した。
その後、足りない人材をアウトソーシングするようになり、現在に至るのではないかと思われる。

そしてリストラだけではなく、新卒採用も控えるようになった。
新卒者が企業を選ぶ売り手市場という流れはつい最近のことで、ほんの数年前までは完全に買い手市場。ブラブラしてたら職はナシっていう厳しい状況。
ここから「大学を卒業してもフリーター」とならざるを得ない層が生まれた。

氷河期世代(朝日新聞のいうところのロストジェネレーション)にとって不幸なのは、‘就職できなかったこと’すらも履歴とされていること。
就職できなくても食うためには稼ぐしかない。
そのための手段を選ばずにフリーターや派遣の道に進む者もいたが、これらに対してポジティブな評価をする企業は少ない。

景気が悪いという社会の都合によって就職を妨げられた世代は、景気が回復したと言われるようになっても職に就くことを許されない。
そんな中、たまたま時期がよかったというだけで新卒者が複数内定を取る。
氷河期世代は正社員として雇用されることすら難しいというのに。


そして氷河期世代の一人としての僕は、確かに正社員ではあるけれど、ウソのように安い給料で雇用されている。
腹が立つのは、今の会社が低いのは事実としても、他の企業も似たり寄ったりだということ。

こんな状況を静観して、「景気の動向を見守る」だの「競争力を維持せねばならない」だの「自助努力が足りない」だの、無責任かつ現状把握に乏しい発言が乱発されるのは我慢がならない。
一時的に企業の成長が停滞するとしても、年齢・学歴・経歴・資格などに見合った最低賃金という枠組みを真剣に議論すべきではなかろうかと思われる。

そしてこれはまた別の機会に譲るが、最低賃金が法制度化されたとき、人件費削減と称してリストラを断行する企業を止める方策も採らねばならない。
払うべき給与を払わずにいた日本の企業が、経費中の人件費割合の固定というビジネスモデルに固執する限り、最低賃金を規定するだけでは問題解決に至らない。
払うべきを払い、国内消費を安定させなければ、国民に実感のある景気回復など永遠にこないであろう。
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[ 2007/01/05 20:30 ] 分析 and/or 考察 | TB(1) | CM(8)

COMMENT

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● 朝日新聞を疑うに一票!
マサボン | URL | 2007/01/16(火) 01:50 [EDIT]
 TB失礼します、マサボンと発します。
 あのコラムに登場された方の話によると、朝日新聞の記者ってハイヤーで現場に向かうそうですね。ボクみたいなバイト君には考えられない世界です。営業の世界でもヒラ社員がハイヤーというのはまずありえないと思うのですが。

神保銀郎 | URL | 2007/01/16(火) 13:52 [EDIT]
おっしゃる通りかもしれませんが、今の僕には他事に心配りする余裕がないので、なんともコメントのしようがありません、マサボンさん

トラバも記事のリンクも結構ですが、僕の主張を誤解させるような取り扱いだけは避けていただくようにお願いします。
● 管理人のみ閲覧できます
| | 2007/03/05(月) 11:27 [EDIT]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

神保銀郎 | URL | 2007/03/05(月) 22:32 [EDIT]
コメントありがとうございます。
けれど・・・もしコメントされたようなことを望まれるならば、このブログを多くの方に見てもらえることが第一なのかもしれませんね。
だとすると・・・ネットを通じてでかまいませんので、このブログのことを知り合いに紹介していただけると嬉しいですね。

僕も見てもらえる方策の一つとしてランキングに登録してみたりしたんですが、どうにも効果がない。
だけど広告出したりして見てもらう機会を増やすというのも僕の好みではないし、このブログなんかは、そうした手段に訴えて認知してもらうというのも違う気がしています。

だから地道に人から人への口コミが僕のようなブログが力を持つんじゃないかと思っていますよ。
● いいツッコミです
ワタリ | URL | 2007/03/07(水) 21:27 [EDIT]
アンケートの読み方の注意講釈、お疲れ様です。

実際わたしの取材でも、正社員とはいっても労災保険または雇用保険に入れないことがあります。その両方ともがない場合もあります。
労働時間は長く、基本給や諸手当やボーナスは切り捨てられつつあります。たとえばボーナスが半額なんて話もあります。
せっかく正社員になれたのに、わずか2-3年でリストラということもあります。

神保銀郎 | URL | 2007/03/09(金) 02:25 [EDIT]
今の精神状態のせいなのか、「お疲れ様です」とくると本当に疲れてしまいそうですわ、ワタリさん

素直に受け取ればいいのかもしれませんが、コメント・タイトルの「いいツッコミです」にしろ、「お疲れ様です」にしろ、僕はワタリさん個人のために書いたわけじゃないですからねぇ。
そんな評価されてもあんまり嬉しくないですね、正直なところ。
本文にしても引用の分からぬ内容の羅列で、そこから僕は何を思えばいいのか・・・。

リンクがあったのでジャンプしましたが、街頭インタビューという形での実態調査なんでしょうか?
その結果が得られてどういう考察が成り立って、そこから次のステップとして何が考えられるとか、ワタリさん自身はどういう風にとらえているのでしょう。
あるいは僕の記事に対して何を思ったのでしょうか。

コメントをいただけたこと自体は嬉しいのですが、その辺りを書いていただけると、僕もワタリさんについて理解が進むのですけどね。
● これいじょうのコストアップは死につながる
ロスジェネ | URL | 2008/04/17(木) 22:11 [EDIT]
はじめまして、ロスジェネの世代です。この記事の通り、就職する時も厳しく、そして今も厳しいです。黄金期を迎えると思ったバイオ産業は伸び悩み、低迷し、私の所得もかなりピンチです。表題通り、やばいです。前の世代のようながむしゃらに生きた分だけ報われることはなさそうです。今の正社員を死守しつつ、生き方を模索します。もがいて、血反吐を吐いて、模索します!!

神保銀郎 | URL | 2008/04/18(金) 23:24 [EDIT]
初めまして、ロスジェネさん

バブル期を生きてきた世代は「額に汗して働けば幸せな生活ができるんだ」と本気で信じていた(いる?)みたいですが、僕ら氷河期世代はとてもじゃないですけど納得のできない意見ですね。
ワーキングプアという‘働いても生活を維持できない層’がいるという現実から考えれば、がむしゃらに生きることに価値はなさそうです。

仮に安月給であっても正社員として働いている僕が言うべきことではないのかもしれませんが、報われないという点では大差がないです。
だからといって、学生求人が上向いた‘ゆとり世代’のように気に入らないから会社を辞め、新しい会社にヒョイと入るわけにもいかない現実が、
> 今の正社員を死守しつつ、生き方を模索します。もがいて、血反吐を吐いて、模索します!!
という言葉に表れているようです。

この現実、どうにか変えていかなくては日本の存続が危ういのではないか、とすら思えていきますよ。

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ロストジェネレーション?
バリカタBlog 2007-01-16-Tue 01:40
 ロストジェネレーション、和訳すると失われた世代。本来の意味はともかく、朝日新聞  [more...]
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